キレイになる : HQ-Tr 併用療法

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2023年1月2日

はじめに
HQ-Tr 併用療法は主に、顔面のシミに対して行われます。
ハイドロキノン(HQ)は、酵素(チロシナーゼ)を抑制し、メラニン生成を減らし黒澄んだ皮膚を明るくします。
トレチノイン(Tr)は、主に皮膚のターンオーバーを促進させ、新しい皮膚を再生させる作用を持ちます。
この方法では、HQ と Tr の W効果を狙っていることになります(図1)。
以下、詳しく解説していきます。
トレチノインとハイドロキノンの作用
図1 : トレチノインとハイドロキノンのW効果により、シミは薄くなるイメージです。
HQ-Tr 併用療法のプラニング
図2に示す通りです。前半はHQとTrを併用して漂白を行います。茶色い色素沈着が改善したら(最長8週間まで)、Trを中止します。後半はHQ単独で炎症をゆっくり冷まし、ステロイド外用は通常用いません。必要があれば、4週間以上のインターバルをおいて同様に繰り返します。効き目はかなり現れますが、それでもまだシミが気になる場合には、フォトレーザーなどのレーザー治療を検討します。
ハイドロキノン-トレチノイン併用療法の計画
図2 : HQ-Tr 併用療法のプラニング

用意するべきものは?

・5% HQ (顔用、医療機関から)

・0.1% Tr (顔用、医療機関から)

・化粧水、乳液(個人のもの)

・綿棒

などとなります。

HQ, Tr は安定性が悪いため、使用後は冷蔵庫に保存し、処方後半年以上経過したものは破棄してください。

 

塗り方について

基本的に、夜のスキンケア時に行ってください。

①洗顔

②化粧水を顔全体的に塗布

③シミの気になる部位にTrを塗布

④③と同じ部位にHQを塗布(時間を空けなくてOK)

⑤乾燥が気になる方は、乳液を塗布

 

皮膚トラブル?と思ったら

HQおよびTrを塗布すると、皮膚炎症状は必発です。併用の場合には、3週間は様子見します。

塗る頻度を2日に1回に減らす、塗る量を減らす、Tr濃度を下げるなどの微調節は適宜してOKです。

なお、我慢できないような症状が出現している場合には、1人で悩まず医師にご相談ください。