キレイになる:ヒアルロン酸注入

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2023年1月2日

みなさんは、ヒアルロン酸” と聞くと、何を思い浮かべますか??

ヒアルロン酸点眼やヒアルロン酸関節内注射は、パッと思い付く方が多いと思います
ヒアルロン酸点眼やヒアルロン酸関節内注射は、パッと思い付く方が多いと思います

そもそも、ヒアルロン酸は、軟骨・眼球・皮膚で重要な役割を担っている物質。

ネバネバしたイメージで、点眼や関節内注射で補うと、消耗を解消させることができます。


そんなヒアルロン酸ですが、皮膚にも広く分布しており、美容領域でも大活躍中なんです。

このページでは、私目線で、美容領域におけるヒアルロン酸注入について紹介していきたいと思います。


最後まで読んでいただくと、ヒアルロン酸に関する理解が深まると思いますよ!

<目次>

・ヒアルロン酸は、どうして魅力的なのか?

・注入直後から実感できる、変化とは?

・気になるリスク

Q/A

● ヒアルロン酸は、どうして魅力的なのか?


各種SNSで話題の絶えないヒアルロン酸。


ヒアルロン酸が魅力的めある理由は、次の2点に集約されるのではないでしょうか?


注入直後から変化が出やすい点、様々な製剤(製品)が世の中に出回っている点。


どちらの点も、患者さんにとって大きなメリットかつ魅力となっていることでしょう。

注入直後から「嬉しい」と実感できる上に、沢山の製品ラインナップから選択できる安心感と楽しさがある様です。


ヒアルロン酸が魅力的であること” には納得できますよね。

注入直後から実感できる、変化とは?


あなたは、次のような悩みを抱えていませんか?


比較的若い方であれば….

もともと◯◯が低い、小さい
もともと◯◯が低い、小さい

お歳を召されてくれば…. 皮膚全体の乾燥感に加えて、

シワ・たるみ・凹みなど
シワ・たるみ・凹みなど

年齢関係なく、悩みは絶えることが無いと思います。


ご存知の方は多いと思いますが、ヒアルロン酸製剤は様々で、グニュグニュ(硬いもの)からサラサラ(柔らかいもの)まで存在しています。


深い部位への注入には硬い製剤、浅い部位の注入には柔らかい製剤というイメージで使用するのが一般的です。


若い方の、鼻・顎・胸に注入する際には、硬い製剤を用い、カタチをしっかりと作るイメージで注入します。


一方、アンチエイジングという意味での注入では、老化のメカニズムを理解しつつ、製剤を使い分けていきます。


あなたは、老化のメカニズムをイメージできますか?

皮下脂肪や筋肉を支えている、支持靱帯・筋膜。これらは加齢により伸びて緩んでしまいます。
皮下脂肪や筋肉を支えている、支持靱帯・筋膜。これらは加齢により伸びて緩んでしまいます。

もともとの状態に戻すイメージでヒアルロン酸を注入していくのですが、図を見ると分かりやすいと思います。

深い層では組織を持ち上げるイメージで、浅い層では溝を埋めるイメージで注入します。
深い層では組織を持ち上げるイメージで、浅い層では溝を埋めるイメージで注入します。

深い層に注入する際には、硬い製剤を用い、カタチをしっかりと作るイメージ。浅い層には、柔らかい製剤を用いるイメージです。


また、保湿目的で注入する場合には、ごく浅い層へ細かく注入していきます。


ヒアルロン酸による変化は、一時的ではあるものの、悩みを解決してくれるため、あなたを喜ばせてくれます。


● 気になるリスク


残念ながら、リスクは存在します。

特に注意するべきなものは、塞栓・チンダル現象・ボコ付き・左右差ですが、これらは技術的にカバーできます。


一方、アレルギー反応は患者さん要因であるため、出てしまった場合には、ヒアルロニダーゼを用いて溶解させます。

● Q/A

Q1:ヒアルロン酸は、どの位の期間もちますか?
A1:1-2年間とお伝えすることが多いです。しかし、注入する深さ、何回目の注入かで持続性が変わってきます。
 
Q2 : 気になるシワの付近にシコリがあります。ヒアルロン酸注入しても大丈夫ですか?
A2 : シコリという山があると、谷に当たる部分のシワは目立ち易くなります。
また、シコリにヒアルロン酸注入されると、感染を起こすリスクが上がります。
まずはシコリを切除して、その後にヒアルロン酸注入するべきです。

Q3 : 唇ヒアルロン酸、痛いですか?

A3 : 注入時の痛みは、個人差ありますが、感じると思います。

眼窩下神経ブロックやオトガイ神経ブロックを併用すると、ヒアルロン酸を入れる時の痛みは軽減できます。

 

Q4 : 涙袋ヒアルロン酸は、効果はどのくらい続きますか?

A4 : 1-2年でしょうか。個人差はありますが、他部位より残りやすいイメージ。


Q5 : ヒアルロン酸注入、後日追加は可能?

A5 : 追加は、可能です。しかし状況により、別の提案をすることもあります。

ボトックス、脂肪融解剤、糸リフト...

 

Q6 : どのヒアルロン酸が良いですか?

A6 : その人に合ったヒアルロン酸があります。

ジュビダームビスタ・レスチレン・クレビエル他、様々なラインナップが存在しています。

感覚や形から、好みを選んでいただくのがベストでしょう!

 

Q7 : ヒアルロン酸は、捨てちゃうんですか?

A7 : 結論から言うと、期限が切れたら捨てます。ヒアルロン酸製剤は、11ccで販売されています。

0.1cc単位で注入するため、余ることも多いのが現実。

後日、ボリュームを足したい方のために、基本的にはとっておきます。

例えば、顎に注入する場合、0.5cc余る訳ですが、鼻など他部位に注入することができます。

 

 

Q8 : 糸リフトした後、頬にヒアルロン酸を入れるのは、どれくらい後?

A8 : ヒアルロン酸を使う目的で変わります。リフトアップ目的(硬いヒアルロン酸)であれば、1ヶ月後。

美肌目的(柔らかいヒアルロン酸)であれば、6ヶ月後。

飽くまで目安ですが、このように考えています。


Q9ヒアルロン酸で聞く、架橋って何ですか?

A9架橋物質は、ヒアルロン酸製剤の体内での分解・吸収を遅らせるための添加剤。

硬いタイプの非架橋ヒアルロン酸は、同じ架橋ヒアルロン酸に比べて、やや柔らかく、アレルギー反応が出にくい様に感じます。


Q10 : 生体内のヒアルロン酸量の変化は?

A10 : 18-20歳がピーク。年齢と共に減少し、40-50歳で急速に減少。


Q11 : 不自然に、少し眉間が膨らみませんか?

A11 : おそらく額ヒアル” の話かと思います。美しい額では、眉間にトップがくることは少ないでしょう。デザインの問題か、ヒアルが流れたことで膨らんだと推測できますね


Q12 : 体調不良で熱が出ると、ヒアルロン酸注入箇所が腫れるのは何故?

A12 : 異物であるヒアルロン酸を注入した場所は、免疫力低下した時に浮腫みやすくなるため。


Q13 : 涙袋や唇ヒアルロン酸、思うようなぷっくり感が出ない。どうしたらいいの?

A13 : 「カタチができにくい」といって入れ過ぎていませんか? 通常、涙袋や唇には柔らかいヒアルロン酸を入れますが、やや硬めのヒアルを少量入れてみることをオススメしたいです。