コラム : 上マブタの話

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2022年9月17日

私たちの顔に欠かせない、マブタ。

 

一般的に、マブタは上・下に分けて考えることができます(1)

図1
図1

上まぶたは、眼球の前面を覆う構造物とも言えます。

部位としては、まつ毛〜眉毛の付近を指します。

 

含まれる構造物は、皮膚・脂肪・筋肉・血管・神経・腺組織 などがあり、それぞれに名前が付けられています(2)

図2
図2

皮膚・皮下脂肪・眼窩脂肪は、クッションの役割を果たし、眼球を保護します。

 

軟骨から成る瞼板には、ミュラー筋及び眼瞼挙筋腱膜が付着しており、まぶたを上げる作用を持ちます。

 

瞼板には、マイボーム腺という腺組織があり、分泌物を出し、眼に潤いを与えます。

 

 

閉瞼時のシェーマを描いてみました (3)

図3
図3

 

マブタには、薄いタイプ(西洋人)、厚いタイプ (東洋人)があります。

 

厚いマブタでは、皮膚自体が分厚く、深い部分に存在する脂肪(眼窩脂肪)が前に競り出しています。

これは、重たいマブタの原因となっています。

 

 

上マブタに特徴的な、二重ライン (4)

 

薄いマブタでは、眼瞼挙筋腱膜の線維が皮膚を強く引き入れ、二重のラインが出てきます。

どの位置で引っ張り入れるかにより、二重幅が決まってきます。

 

一方、分厚いマブタでは、眼瞼挙筋腱膜の線維が弱いため、くっきりした二重のラインは出にくいです。

図4
図4

上まぶたが、上がらない…..

 

全年齢で起こり得る、下垂症状。

 

生まれつきマブタが上がらないのは、先天性眼瞼下垂症。

眼瞼挙筋が働かないため、マブタが上がらない状態となります。

 

年齢を重ねて、マブタが下がる病気は、コンタクト性・加齢性眼瞼下垂症。

 

瞼板とミュラー筋・眼瞼挙筋腱膜の付着が緩んだ結果、眼瞼挙筋が頑張ってもまぶたが上がらない状態となります。

 

症状としては、見えにくい、頭痛がする、肩凝りがひどい、眠たそうな眼になった” などです。

 

 

詳しくはこちらをご参考ください眼瞼下垂症

<Q/A>


Q1目の上の凹み、どんな時、注入で改善できますか?

A1注入治療では、ヒアルロン酸・自己脂肪を用います。ごく軽度の眼瞼下垂まで・上眼瞼皮膚にたるみの無いケースでは、注入で改善させることができます。