この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 | 最新アップデート 2023年1月2日
【📣概要📣】
“手術”と聞くと、「怖い…🥲痛みに耐えられるかなぁ❓」と考えてしまいませんか?
この記事を読んでいただくと、美容領域での麻酔法を理解できます。そして、”痛み”に対する不安を拭うことができます。
🌱痛いですかね?
患者さんに必ずと言っていいくらい聞かれる質問です。私たちが痛みについて敏感な理由は何でしょう?
🌱痛みとストレス
まず、痛みについて考えること自体、ストレスだからです。また、痛み刺激はカラダにとって多大なストレスとなるためです。痛みを感じ続けながら手術を受けると、グッタリしてしまうでしょう。そこで出てくるのが麻酔です。麻酔は痛みを軽減し、カラダの負担を軽くしてくれます。それでは、麻酔とは?に答えます。
🌱麻酔にも色々
美容外科領域の麻酔法では、全身麻酔と局所麻酔に大別されます。全身麻酔では、患者さんの意識が無いため、血圧や脈拍という形で”痛み具合”を判定します。一方、局所麻酔では、患者さんの意識が有るため、直接”コトバ”で”痛み具合”を判定します。どちらの麻酔を使うのか?については、手術の侵襲度によります。それでは”局所麻酔は痛いのか?”に答えます。
🌱”痛くない”はウソ
皮膚表面には密な知覚神経が存在するため、局所麻酔すら痛いです。少しでも痛みを減らしたい方には、様々な追加オプションを用意することが多いです。
・麻酔テープ、麻酔クリーム
・皮膚に振動を与える、振動マシーン
・細い針 (34Gなど)
・術部の冷却・術部の圧迫
などなどあります。
なお、糖尿病など、末梢神経障害の患者さんでは痛みを感じにくいため、痛みの程度は軽いです。
🌱麻酔薬の工夫
代表的な局所麻酔薬には、キシロカイン・マーカイン・アナペインがあります。
それぞれを比較してみます。
手術ではキシロカインE入りを使うことが多いです。pHを上げて、注入時の痛みを軽減するメイロン、麻酔作用が長持ちするアナペインを混合することが工夫の中身です。
🌱 注入のイメージ
注入圧による痛み”があります。
極力ゆっくり注入し、数十秒待ってから次に進めていきます。
🌱手術部位に局所麻酔を撒ければ、痛くない
手術部位を支配する、痛覚路線をブロックできれば、痛みは無くなります。
しかし、手術範囲が広かったり深かったりすると、上記のオプションを追加したとしても….どうでしょう?
麻酔を撒き切るまで、耐え切れない方が続出してしまうでしょう。
ここで出てくるのが、吸入麻酔や静脈麻酔なんです💡
吸入麻酔の代表は、笑気とセボフルラン。
静脈麻酔の代表は、プロポフォールとドルミカム。
吸入麻酔・静脈麻酔を用いて、「眠くて眠くて…..🥱」というレベルまでもっていきます。
鎮静された状態で、局所麻酔を撒いてしまうのです。
なお、手術内容によって、どの麻酔法を組み合わせるか、が変わってきます。
いくつか例を挙げてみましょう。
ボトックスやヒアルロン酸では、局所麻酔薬を撒かないため、単体で行います。
ただし、これらに局所麻酔薬が既に含まれていることがあります。
埋没法の場合には、怖くて仕方ない方にのみ、笑気を組み合わせます。
お腹の脂肪吸引の場合には、基本的に、静脈麻酔を組み合わせます。
症例によっては、さらに吸入麻酔も追加するという感じです。
🌱最後に
患者さんが”痛みを心配すること”は当たり前。私も痛みには十分配慮して施術しています。痛みに関する不安、
ぜひご相談くださいね。