キズを縫われたら、考えなければならないことは何でしょうか?
術後の処置はもちろんですが、それは抜糸です。
抜糸も奥が深いため、解説していきます。
目次
・一般的な事実として…
・何故、抜糸しなければならないのか?
・抜糸のタイミングを決めるポイント3つ
・足指切断後、キズが開いてしまったケース
・反省を活かして
🌱一般的な事実として…
外から見える部位にある糸は、基本的に抜糸する必要があります。
これは、糸が溶ける、溶けないは関係ありません。
口の中の糸は溶ける糸で縫いますが、自然に外れるまで放置していることが殆どです。
🌱何故、抜糸しなければならないのか?
外縫いの糸は、感染しにくいタイプを用いますが、異物であることは間違いないのです。
抜糸をしないと、感染を起こしたり、針穴アトが目立ってしまいます(図1)。
患者さんによく質問されるのは、「いつ抜糸するのか?」です。
再発部位・関節部位・糖尿病・ステロイド内服中などでは、縫合後2-3週間とすることが多いです。
顔など目立つ部位では、縫合後1週間以内に行うことが多いです。
他、一般的には縫合後1-2週間で行います。
ここで、抜糸時のポイント3つをまとめておきます。
🌱 抜糸のタイミングを決めるポイント3つ
①基礎疾患があるか?
②よく動かす部位か?
③目立つ部位か?
をよく考えて、ベストなタイミングで抜糸する必要があります。
タイミングを間違えると、キズアトの経過が不良となってしまいます。
以下、私の経験したケースを取り上げて考えてみましょう。
🌱足指切断後、キズが開いてしまったケース
75歳女性、既往に糖尿病・閉塞性動脈硬化症。
足指が壊死したため、切断に至りました。
切断後は感染や血腫形成はなく、経過良好でした。
しかし、1週間で抜糸した後、キズアトが不安定になり感染を起こしてしまいました。
このケースでは、本来ならば、3週間程度空けて抜糸するべきでした。
🌱反省を活かして
抜糸した直後、創部はすごく不安定です。このため、キズアトのテーピング固定はとても大切な作業となります。
抜糸に関しては、医師にしっかりと確認するようにしたいですね。