コラム : ニキビとストレス

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2023年12月29日

ニキビで悩まされている人の写真

「皮膚科や美容外科でニキビ治療した。だけど、なかなか治らない😭

こんな悩み抱えている方、いませんか?

 

今回は、ニキビとストレスというテーマの下、コラムを書きます。

 

ニキビで悩み続けている方、よかったら読んで見てください。

何かのヒントになるかも知れません。

 
◯ストレスの関与は大きい
 
ストレスが、ニキビの発症悪化に関係していることは、古くから指摘されてきました。
 
実際、次の2つのデータが裏付けています。
 
一つ目。ニキビ患者さんの30%は、生活上の変化を契機に、発症・悪化を認めていること。
 
二つ目。ニキビ患者さんの78%は、日常的ストレスの増大に伴ってニキビの発症・悪化を認めていること。
 
それでは、具体的にどのように関与しているかを解説します。
 
 
◯掻爬行動を誘発 (図1)
 
いわゆる、”ストレスによる掻きむしり”です。
 
この行動は習慣化し、ニキビを悪化させてしまいます。
 
実は、もう一つのメカニズムがあります。
ストレス脳と掻爬行動の関係を書いた図
図1 : 脳がストレスを感じると、掻爬行動が誘発される
◯ストレスホルモンを誘発 (図2)
 
脳がストレスを感じると、副腎という臓器からストレスホルモンが分泌されます。
 
このホルモンが、皮脂腺機能を亢進させ、ニキビを悪化させます。
 
いわゆる、心理的ストレスに対するストレス応答機構です。
ストレス脳・ストレスホルモン・ニキビの関係を示した図
図2 : 脳がストレスを感じると、ストレスホルモンが分泌される
◯ストレスは消えない
 
受験戦争、就職活動、新型コロナ、家庭ストレス、仕事上の人間関係……
 
私たちは、各種ストレスから逃げることはできませんよね。
 
「ストレスとうまく付き合うにはどうしたらよいか?」をよく考えることが大切です。
 
さらに言うと、掻く行動を抑えるにはどうしたらよいでしょう?
 
 
◯何よりも大切なこと
 
それは、”掻きむしらないこと・丁寧なスキンケア”を意識すること。
 
また、”掻きむしりたい”という気分になった自分に気付くことです。
 
自分をコントロールできる能力も重要で、手段を考えておくとよいです。
 
例えば、机を指でトントン叩く・耳朶をつねる・楽器を弾く・音楽を聴くなど。
 
何でもOKなんで思考の切り替えをしましょう。
 
 
◯メンタルケアだけで大丈夫?
 
もちろん、抗生剤軟膏やピーリングなどを併用することが大切です。