コラム : “埋没糸は取れやすい?” の真実

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2022年12月29日

「埋没の糸って、取れやすいんですよね?」

こんな質問、多く受けます。

 

 

僕自身、美容経験の浅い頃、

「埋没は、結局のところ、結び目が緩んで取れてしまう」

と考えていました。

 

このコラムでは、”糸の結び目が〇〇する結果、患者さんの希望するラインが消失するのだ” というメカニズムについて解説していきます。

 

最後まで読んでいただけると幸いです。


<目次>

 

・私の経験から学んだ事実

・そもそも、一般的な埋没とは?

・ラインが消失する、主な理由とは?

・まとめ


● 私の経験から学んだ事実

 

埋没の経験を積んでいくと、取れる” という表現は適切でないことに気付きました。

 

結び目は緩むことはあっても、適切に結ばれていれば、取れてしまうことは稀であるためです。

 

実際、「ラインが薄くなったので診て欲しい」と相談を受けることがあります。診察してみると、結び目は “残っている” ケースが殆どなのです。

 

 

● そもそも、一般的な埋没とは?

 

埋没の糸は、結膜・眼瞼挙筋(腱膜)・眼窩隔膜・眼輪筋・皮膚を通っています(図1)。

 

埋没糸の通っている部位
図1

ループは、結び目を作ることにより、維持されます。

 

人工的に作ったループが、眼瞼挙筋の力を介して、眼瞼の皮膚を折り畳ませるイメージ(2)

埋没糸による二重形成
図2

なお、結び目は、眼輪筋中層を狙って埋め込みます(3)

埋没糸の結び目を埋め込む深さ
図3

● ラインが消失する、主な理由とは?

 

残念ながら、ラインが消失してしまうことも起こります。

 

主な理由は、

 

結び目が、深く入り込み過ぎるため

 

です(図4)。

 

埋没糸の結び目が深過ぎると、二重ラインは消失してしまう。
図4

この場合、皮膚を上手く引き入れることができず、重瞼線が消失する結果となるのです。

 

 

● まとめ

 

ラインが消失してしまう、主な理由。

 

それは….

糸の結び目が、深く埋没され過ぎてしまうから

です。

 

その他、マブタ皮膚のたるみも大きく関係します。

 

悩んでる方、ぜひ、私まで相談してくださいね。