病気と治療 : 皮膚悪性腫瘍

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2022年12月29日

🌱皮膚悪性腫瘍とは?

 

ズバリ、皮膚にできる癌です。

 

癌なので、放置しておくと徐々に大きくなり、転移して、最終的には死に至ります。

 

そのため、

 

・癌を疑い

 

・必要に応じて検査すること(デルマスコピー)

 

が大切です。

 

さて、悪性腫瘍の原因って何でしょうか?

🌱原因・種類

 

明確な原因は、はっきりしていません。

 

顔や頭に多発することから、日光による紫外線に長くさらされていることが原因の1つと推測されています。

 

他にも、

外傷・熱傷などの慢性的な刺激

ヒトパピローマウイルス

が原因になることもあります。

 

一口に皮膚悪性腫瘍といっても、いろいろな種類があります。

その中でも、臨床的に多い2つに絞ると、

・基底細胞癌

・有棘細胞癌 (扁平上皮癌)

です。

 

その他にも様々な腫瘍があります。

主な皮膚癌の系統分類
主な皮膚癌の系統分類

デルマスコピーで悪性を疑う場合、次に何をするべきでしょうか?

🌱生検をしよう

 

生検とは、腫瘍の一部を取り、病理学的に精査すること。

 

切除した腫瘍を顕微鏡で観察することによって、確実に診断することができます。

 

悪性を疑うポイントは、

 

・色ムラがある

 

・直径が6mm以上

 

・時間とともにサイズが大きくなる

 

などです。

 

また、顔の中心部は要注意となります。

🌱診断しよう

 

癌で怖いのは、やはり転移です。

レントゲン・CT・MRI で病期を確定します。

 

どのタイプの皮膚癌なのか?

どの病期?

により、治療方針が決まります。

🌱 治療

 

基本的な治療は、原発巣を確実に切除することです。

 

どれくらい切除するべきか?

どこまで切り取れば再発せずに確実に取りきれるか?

が常に問題となります。

これは、診断によって大きく異なります。

 

さあ、

腫瘍を十分に切除した後は、再建しなければなりません。

 

切除範囲が小さければ、そのまま皮膚を縫合して終了する場合もあります。

 

しかし、切除範囲が大きく縫合できない場合、植皮や皮弁が必要になります。

体表面の手術ゆえ、見た目も考えて再建します。

 

リンパ節転移が明らかな場合には、まずはセンチネルリンパ節生検を行います。

この上で、必要あればリンパ節郭清が行われます。

 

なお、腫瘍の広がり方や種類によっては、

抗癌剤を使用する化学療法

免疫療法

放射線療法

を併用する必要があります。

 

最後に、予防について考えてみましょう。

 

 

🌱 日焼け止め対策が大切!

 

やはり、紫外線に無防備であることがダメです。

 

日焼け止めについては ▶︎ 日焼け止め

を参照してください。

<症例>