病気と治療 : 脂肪腫

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2022年12月29日

「シコリがある」と説明すると、「脂肪の塊ですか?」と質問する方が多いです。

 

実は、“ シコリ脂肪の塊 “ ではなく、他にも様々な病気が潜んでいる可能性があります。

 

このページでは、良性脂肪腫を中心に解説していきます。

よかったら、最後まで読んでくださいね。


<目次>

 

・脂肪腫とは?

・「脂肪腫かも?」と思ったら

・様々なタイプを知る

・治療は?


🌱 脂肪腫とは?

 

皮下に発生する腫瘍の1つで、良性と悪性に分けられます。一般的に脂肪腫というと、良性を指します。

 

表面からはシコリとして自覚され、実物は光沢のあるツルっとした印象です (1)

図1 : 脂肪腫のイメージを言葉にすると…
図1 : 脂肪腫のイメージを言葉にすると…

🌱 「脂肪腫かも?」と思ったら

 

外から触って、「脂肪腫かも?」と疑うことは簡単です。

 

しかし、実は、脂肪腫と確定することは難しいのです。

 

詳しく調べるためには、超音波が有用。

 

脂肪腫っぽいか?を確認できます (図2)。

図2 : 脂肪腫の超音波画像
図2 : 脂肪腫の超音波画像

さらに詳しく調べるためには、MRI を利用すると、良悪含めて細かく調べることができます(3)

図3 : 脂肪腫のMRI 画像
図3 : 脂肪腫のMRI 画像

🌱 様々なタイプを知る

 

脂肪腫には、様々な大きさがあり、様々な場所に発生します。

 

触っても分からないものから、ビックリするほど大きいものまで経験します。

背中・腕に多いイメージですが、頭から足まで出来ることがあります。

 

また、深さも様々で、皮下から筋層内まで分けられます (4)

図4
図4

さらに、脂肪腫には、良性と悪性が存在します。大半は良性なのですが、以下のような時に悪性を疑います。

 

・5cmを超えるもの

・急速に大きくなったもの

・硬いもの

 

 

🌱 治療は?

 

良性の場合(図5)

 

皮膚を切開し、腫瘍を取り出します。

最後に、創部を縫合します。

図5
図5

悪性の場合

 

腫瘍の大きさ・深さによって、切除幅が変わってきます。

軟部腫瘍診療ガイドラインに沿い、手術を立案していきます。