流行前からマスクにはお世話に…
長い間、形成外科医として働いており、昔からマスクには大変お世話になっていました。でも、マスクの性状についてまでは深く意識していませんでした。自分は当たり前のように不織布マスクを付けていましたが、たまに布性マスクを見かけたり、結核患者さんを診る時はN95マスクを付けたり…程度でした (図1)。
コロナ流行をきっかけに
2020年初めに流行が始まり、いま(2021年9月)も収まる気配の無いCOVID-19です。流行と同時に、マスクの重要性も高まり、すっかり必需品の一つとなりました(図2)。
どのタイプのマスクがいいのか?
マスクの種類は様々ですが、不織布・綿・シルク・ウレタンなどがあります。よく”不織布がいい”と言われますが、この理由は何なのでしょうか? (図4)
飛沫の吸い込み抑制効果が期待できるから
先ず、不織布とは、繊維同士を織り込むのではなく、熱的・機械的・化学的処理により繊維を接合させた布を指します。不織布の目の細かさは、使用する繊維の素材や太さでコントロールが可能です。不織布は、通気性の良さと細かい粒子の侵入を防ぐフィルター機能を兼ね備えており、エアコンのフィルターや紙オムツ、ウェットティッシュなどにも利用されています。
いづれのマスクでも、咳・くしゃみをした時に飛沫拡散を抑える効果は同じです。しかし、不織布タイプの優れている点は、飛沫の吸い込み抑制効果です。空中に浮遊している飛沫の吸い込み量を約1/3に抑えることができます(図5)。
肌によいマスクは…?
不織布はゴワゴワする実感があるように、肌に負担となる場合があります。肌に優しい素材となると、綿やシルクとなります(図6)。飛沫の吸い込み抑制を重視する場合には、不織布の下に1枚ガーゼを挟む工夫をするとよいかもしれません。
種類以外の注意点3つ
① きちんとフィットさせましょう
マスクを緩く調整すると、皮膚と擦れて微細なキズを作ってしまいます。鼻と口が覆われる様、適度にフィットさせましょう。
② マスクを綺麗に保ちましょう
マスクには皮脂・汗・唾液・粘液などが付着します。非刺激性石鹸を用いて洗浄し、乾かしましょう。なお、洗剤や柔軟剤で被れてしまうこともあるため、要注意です。
③ お肌のスキンケアも忘れずにしましょう
肌もしっかりとケアすることが大切です。参考2:ニキビ にて詳しく書いています。よかったら参考にしていただき、日々のスキンケアをしてみてください。
最後に
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