形成外科専門医・美容精神科医の Drむね です。
私は、今まで、数多くの褥瘡を治療してきました。
この経験を活かして、ブログ記事を書いていききます。
今回は、私の記憶に残っている、褥瘡のお話を取り上げつつ、褥瘡と加齢について考えてみます。
この記事を読むと、褥瘡に関する知識が深まります。
ぜひ、最後まで読んでくださいね。
出会い
患者さんA
初めてお会いした時、80代前半。
肺炎にかかり、しばらく寝たきり、腰部に褥瘡潰瘍ができた、とのことで受診されました。
見た目は、軽症
初めて、Aさんの褥瘡を見た時、私の印象は、
「これは、手術で治るな!」
でした。
潰瘍を含めて単純切除して、
縫い縮めればOK !
と考えていました。
しかし、実際には、難敵だった.....
手術を行なった結果、
1週間後にキズが開いてしまい、感染併発...
感染を落ち着かせた後、
持続陰圧吸引療法を行い、創面を綺麗に保つ処置が必要になりました。
その後、もう一度手術しました。
が.....
1週間後に再びキズが開いてしまい、感染併発...
結局、手術は諦めることに。
持続陰圧吸引療法を繰り返して、自然な治癒を待つこととしました。
実際に感じた、加齢による皮膚変化
皮膚には、真皮という、強靭な組織があります。
これは、"術後のキズが、くっ付くか?"と大きく関係します。
残念ながら、真皮は、加齢と共に脆くなります。
Aさんの真皮は、ペラペラで、非常に脆く、引っ張るとちぎれるほどでした。
また、真皮の下には、クッションの役割をする脂肪があります。
残念ながら、脂肪も、加齢と共に萎縮します。
Aさんの脂肪は、殆どない状態でした。
褥瘡と加齢
加齢により
・皮膚の変化 (真皮・脂肪の菲薄化)
・血流や抵抗力の低下
・血中のアルブミン値低下
などがみられ、褥瘡と密接に関連します。
注意したいことは、
手術を行っても、元の潰瘍より大きくなり、治癒までの時間も延びてしまうリスクです。
高齢の場合には、手術適応は、慎重に判断するべきです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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