質問箱:キズアトが心配な方へ

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2023年1月2日

📣概要📣】
ケガを負った直後は洗浄・消毒により清潔を保ち、早期に適切な処置を受けることは基本的なことです(cf:キレイなキズを作るために)。実は、その後のケア内容により個人差がかなり出てきます。
レーザー術後も同様、ケアの内容により結果がかなり違います。
細かいケアは面倒ですが、綺麗な肌を保つためにはとても大切なことです。
このページでは、キズが乾くまでの流れを示し、"キズアト (処置後も含む)のケア" に焦点を当てて解説していきます。
🌱キズが乾くまで
キズは、基本的に水道水で洗浄して問題ないです。
異物や感染が残存していない綺麗なキズは、自然に治癒していきます。処置方法は様々あり、医師の指示に従って
ください。
乾くまでの期間も紫外線注意、日傘をさす・帽子を被る・マスクをするなどの対策をして紫外線を直接浴びないようにしましょう。
乾いていないキズに塗ることができる商品 (日焼け止め1) もあり、ごく初期からの紫外線対策として有用です。
キズが乾いたらどのようにしていくか、を以下で解説していきます。
🌱キズが乾いたら
ここからが勝負です。
キズアトは、盛り上がる性質、特に動かした際に引っ張られる性質、紫外線に弱くシミになりやすい性質を持っています。
それでは、キズアトの盛り上がりを抑えるにはどのようにしたらよいのでしょうか?
🌱盛り上がりを抑えるには2つの方法
2つの方法とは、テーピングと軟膏です。
まずはテーピング。キズアトのサイズに合わせてテープをカットし、少し圧迫するイメージで貼ってください。これは遮光にもなります。
テープかぶれがある場合には、保湿クリームを朝夕2回、直接塗布するようにしてください。また、キズアトが大きくテープ保護の難しい場合には、保湿クリームが良いです。
次に、引っ張られる性質を抑えるにはどのようにしたらよいのでしょうか?
キズアトの盛り上がりを抑えるための、テープ保護と保湿クリーム塗布
🌱緊張を抑えることは大切
縫合する際は、キズに緊張かかることを想定して縫っています。しかし、それ以上の力でキズアトが引っ張られると、
瘢痕の幅が広がってしまいます。ややキズアトを寄せるようにしてテーピングすると瘢痕の幅を狭めることができます。
次に、「シミを予防するためにはどのようにしたらよいか...?」を考えます。
瘢痕の幅を広げないために大切な、テープによるキズアト固定
🌱シミを作らないために
基本は紫外線対策!!! 特に顔は目立つので細めにケアするべきです。朝、(女性はお化粧した後に) 必ず日焼け止めを塗って外出しましょう。特に夏場は塗り直しできるように持ち歩きます。テーピングをすると完璧です。テーピングをする場合、テープの上から化粧・日焼け止めを塗ってください。
ビタミンC、ハイドロキノンクリームも効果的です。ハイドロキノンは、”紫外線がメラノサイトに働きかけ、メラニンというシミの原因物資を抑制する”作用を持ちます。ビタミンCは、肌の浸透性を高め、ハイドロキノンの作用を高めてくれます。なお、ハイドロキノンを塗った部分は紫外線に当てないように注意してください。
夜間、洗顔後に塗布するのがオススメです。
次は、"テーピング"のオススメやトラブル対策について記します。
キズアトの色素沈着を抑えるため、日焼け止め対策が大切。
🌱"テーピング" について
3Mマイクロポアサージカルテープ幅25mmまたは50mmがよいです。キズアトの大きさで使い分けます。
インターネット販売や薬局で購入することが可能です。
キズアトのテーピングに用いる、マイクロポアサージカルテープ
テープかぶれを予防するため、毎日交換してください。入浴時、(刺激を少なくするために)濡らしながら優しく剥がして
ください。
低刺激の石鹸で洗い、よくゆすいでください。これでもかぶれが改善しない場合には、テーピングは中止してください。
🌱いつまでケアしたらよいのか?
キズアトは一般的には6ヶ月から1年かけて変化します。もちろん例外はありますが、キズアトが変化している間は
細めなケアが必要となります。保湿と日焼け対策は、肌ケアの基本のため、一生続けるとよいです。
🌱キズは丁寧に扱って!
キズアトは脆いです、優しく扱って下さい。特に、テープを剥がす際、キズアトの方向と平行に剥がすようにしましょう。
キズに貼るテープの剥がし方
🌱ケアはしたけど、もっと綺麗にしたい方へ
どんなキズアトも基本、変化している間は経過をみる方がよいです。盛り上がり、瘢痕の幅、色素沈着(シミ)、
キズアトの形、キズアトによるひきつれ感etc、様々な悩みはこちらから! 
キズアト修正 もご参考にしてくださいね。

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