この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 | 最新アップデート 2022年12月29日
シワ・たるみで悩んでいる方、「歳だから仕方ない」と諦めていませんか?
諦めてしまう前に、このページを読んでいただくと、「自分は、まだまだ。やるべきことが残ってる」と気付くこができるはずです。
分かりやすく解説しているので、 良かったら最後まで読んでくださいね。
<目次>
・若々しい肌とは?
・コンパートメント別、加齢変化
・シワ・たるみは如何にできるか?
・まずは予防が大切
・目立つシワ・たるみには….?
・コンビネーション治療
・Q/A
真皮層に存在する、
・コラーゲン(膠原繊維)
・エラスチン(弾性線維)
・ヒアルロン酸
の存在により、潤いのある肌の張りは保たれています(図0)。
深部に着目すると、骨は、皮膚にとって土台のような役割を演じ、脂肪組織や筋肉と共に "たるみの無いピンと張った肌" が実現されています。
コンパートメント別、加齢変化 (図1)
顔面の加齢は、男女関係なく生じる、悩ましい変化。
上・中・下3つのコンパートメントに分けて考えると、分かりやすくなってきます。
加齢・紫外線によりコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸が減少または変性すると、真皮の力が弱まります。
真皮が弱いと、筋肉の力が皮膚に伝わり易く、目立つシワが出来上がります(図3)。
活性酸素の発生、女性ホルモンの減少なども関与しています。
一方、加齢現象は、皮膚・脂肪組織・筋肉・骨にさまざまな変化を起こします(図4, 5)。
顔の脂肪組織・骨が減少すると、たるんだ顔つきになります。たるみは、下方に引っ張る力(重力)によって悪化します。
靭帯に囲まれたスペース (図6-a)に、脂肪組織が落ち込む(図6-b)と、目立った、たるみ・シワとなります。
筋肉は、加齢と共に、顔面の構造を下向きに引っ張るようになるため、さらに悪化します。
顔の表情筋には、30種類以上あります。
表情筋が緊張し続けると、笑ったり怒ったり表情を作る時以外にも、シワが目立ってしまいます(写真1)。
これは、年齢と関係なく、目尻・眉間・額・鼻根部・顎などに特徴的です。
Q/A
Q1 : 目の下シワ、なかなか消えずに悩んでいます。解説をお願いします。
A1: 目の下シワ。目立ちやすい理由が3つあります。
1つ目、皮膚厚0.5mmとメチャ薄であるため。皮脂腺や汗腺が少なく、乾燥が進みやすくなります。
2つ目、真皮が薄いため。筋肉の力が表皮に伝わりやすくなります。
3つ目、マバタキを絶えず行っている部位であるため。
3つの理由から治療法を考えると、保湿・トレチノイン塗布・ボトックス少量注入が効果的と分かります。
保湿クリームは、世の中に沢山出回っています。しかし、トレチノインやボトックスは難しいですよね。
トレチノインは、ゼオスキンまたはエンビロンなどのドクターコスメ。
ボトックスは、ヒアルロン酸と混ぜて注入する水光注射がオススメですよ!
Q2 : 30代前半。下顎のたるみ、糸リフトで改善しません。もう少し糸リフト、入れるべきですか?
A2 : たるみと言えば、糸リフトというイメージになってます。糸リフトでは、皮下脂肪の位置変化を修正できます。しかし、若い方の場合、表情筋の緊張・皮膚の乾燥なども関与してます。頬杖や姿勢の矯正は、とーっても大切。また、強くマッサージすると、筋膜・靱帯が緩る結果、逆にたるんでしまいます。
美容外科でのオススメは、フェイスラインから顎にかけてのマイクロボトックス、柔らかいヒアルロン酸注入です!
Q3 : 普通時のシワ、改善できませんか?
A3 : いわゆる安静時のシワ。タルミ・過緊張は、表情筋を過剰に働かせてしまいます。そんな緊張した筋肉が、年齢と共に薄くなった皮膚を引っ張り込むと、深いシワが出来てしまいます。こんな時、ボトックス注射で筋肉の緊張をほぐすと、出来てしまったシワを目立ちにくくすることができます。なお、皮下組織や骨のボリューム調節をすると、より良いことが多いです。
Q4 : 法令線シワには、ボトックスが良いですか?
A4: 法令線付近は、顔面表情筋が入り組んでいるエリアとなります。”シワにはボトックス” というイメージだけで打ってしまうと、良い結果は出ません。法令線下の土台が低い場合には、ヒアルロン酸注入・脂肪注入・プロテーゼなどが適応となります。法令線上の盛り上がりが目立つ場合には、脂肪溶解注射や糸リフトが適応となります。