この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 | 最新アップデート 2023年1月2日
あなたは、トレチノインって聞いたことありますか?
ドクターコスメに含まれている、人気の成分なので、ご存知の方も多いと思います。
このページでは、トレチノインという切り口で書いていきます。
よかったら、読んでくださいねっ。
トレチノインとは?(図1)
トレチノインとは、脂溶性ビタミンの一種であるレチノールが酸化されて出来る物質。
トレチノインの肌への効果は、レチノールの約10倍とされます。
美容で用いられるトレチノイン濃度は、0.025%~0.2%程度。
スキンケアでは、食物から摂取されるビタミンAよりもはるかに効果的に働きます。
また、誰でも血液中にごく微量流れているもので、アレルギー反応を起こすことはありません。
レチノイドには様々
レチノイドには、トレチノイン(レチノイン酸)・レチノール・パルミチン酸レチノールがあり、前者ほど効果が高いです。効果が高いということは、レチノイド反応が出やすく、皮膚の薄い部位(マブタなど)には使いにくい特徴があります。
レチノイドの効果とは?
•角質(皮膚のゴミ)を剥がし取ります
•表皮細胞を分裂・増殖させ、皮膚の再生を促します(ターンオーバーが速くなります)。その際、表皮の深い層にある
メラニン色素を外に押し出します
•毛孔のつまりの原因である角栓を剥がし、血管新生を誘導し、皮脂の分泌を抑えます。ニキビを改善させます
•コラーゲンの分泌を高め、皮膚の張り・小じわを改善させます
•血管新生を誘導し、キズの治りを促進させます
•表皮内の粘液性物質の分泌を高め、皮膚をみずみずしくします
レチノイド反応について
トレチノインを塗ると、ターンオーバーが速くなり、角質の排出が活発になるため、皮剥け(落屑)が生じます。
また、角質が剥がれることで、お肌のバリア機能が低下するため、刺激を感じやすくなり赤み・痒み・乾燥症状もみられます。これをレチノイド反応と呼びます。
レチノイド反応のピークである最初の3週間程は辛い時期ですが、治療の通過点であり、効果が出ている証拠ですから、頑張りましょう。
ただし、治療中はお肌の反応を見ながらトレチノイン濃度を適宜調整することも可能ですからご安心ください。
レチノイドに興味ある方へ
化粧品レベルから治療薬レベルまで様々です。これは濃度によって調整されています。いづれにしろ最初は低濃度から
始めることが安全です。
見つつ、少しずつレベルアップできる点が魅力的です。
一方、攻めの治療をしたい場合は、ハイドロキノンと組み合わせる方法がオススメです。
お使いできない方
妊娠中の方、授乳中の方もしくは妊娠の可能性がある方は、お使いいただけません。