コラム:意外と知らない皮膚の構造

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2022年7月30日

皮膚の構造 (解剖って複雑で、分かりにくいですよね。

このページでは、層に分けて解説していきます。

 

目次

 

🌱 皮膚の構造について

🌱 表皮の構造って?

🌱 真皮の構造って?

🌱 真皮以下の構造って?

🌱 シワ・たるみは、何故できるのか?

🌱 シミは、何故できるのか?

 


🌱 皮膚の構造について
 
皮膚は、表皮真皮皮下組織から構成されています。
皮膚の構造について絵を用いて解説
皮膚の構造とは?
🌱 表皮の構造って?


表皮の厚さは、平均0.06- 0.2mmと薄く、とくに眼瞼では最も薄くなってます。


表皮の構造は、図示してみると分かりやすいです。

顕微鏡で見ると、実は、綺麗な層構造していること知っていましたか?

表皮は、細かく分けると5層から成る
表皮は、細かく分けると5層から成る

基底層の基底細胞が、表面に向かって移動します。最終的には、角質層の角層細胞となって、表面から脱落します。

図でイメージすると、分かりやすくなります。

表皮では、深層から浅層にかけて、細胞が変化する
表皮では、深層から浅層にかけて、細胞が変化する

この過程を角化と呼んでいます。

 

それでは、上から下にかけて、順々に解説していきましょう。

 

1層目 : 皮脂膜

 

汗腺から分泌される汗、皮脂腺から分泌される皮脂が、程良く混ざり構成されています。

この膜が、2層目である角質層を守っています。

 

2層目 : 角質層

 

3層目である顆粒細胞がアポトーシスを起こし(死んで)、積み上げられた層。

これは、物理・化学的刺激から皮膚を守り、微生物侵入を阻止する強固な防御となります。

 

 

3層目 : 顆粒層

 

ケラトヒアリン顆粒という、小さなビーズのような粒を大量に含んでいます。

この粒は、紫外線を反射させて、深部への浸透を防止します。

 

4層目 : 有棘層

 

1番、分厚い層。

この層には、強力な免疫細胞である、ランゲルハンス細胞が網目のように存在しています。

この細胞は、体内の異物を排出する働き・炎症を抑制する役割を担っています。

 

5層目 : 基底層

基底細胞などからなる層で、基底膜を介して真皮と接着。血管から栄養を受け、分裂を盛んに行なっています。

また、メラノサイト(色素細胞)があり、紫外線から体を守るメラニンを合成しています。

🌱 真皮の構造って?

表皮の下にある真皮は、柔軟で強いクッションみたいな役割を果たします。乳頭層と網状層に分けることができます。

乳頭層は、毛細血管と知覚神経末端に富んでいます。

一方、真皮の大部分を占める網状層。
線維性結合組織から成り、主な組織はコラーゲンとなります。
エラスチンは、量は少ないものの、真皮のもつ柔軟性に寄与します。
コラーゲンやエラスチンは、糖蛋白やプロテオグリカン(ヒアルロン酸)などを含むジェル状組織内に存在しているイメージです。
このように表皮の下にある真皮は、スポンジのような役割を担います。
真皮の構造について図を用いて分かりやすく解説
真皮の構造とは?

🌱 真皮以下の構造って?

 

さらに下にある脂肪組織は、クッションみたいな役割に加え、保温機能を持ちます。

その他、皮膚には血管、毛、汗腺、脂腺などが存在します(図4)。

アポクリン腺は聞いたことがあるかと思います、ワキガの治療でポイントとなる組織です。

脂肪組織、毛、 汗腺、 血管系 について絵を用いて分かりやすく解説
脂肪組織、毛、 汗腺、 血管系 について
🌱 シワ・たるみは、何故できるのか? 
 
真皮層に存在する、膠原線維や弾性線維が加齢により減少したり変性することにより作られます。
シワ・たるみ を参照にしてくださいね!
 
 

🌱 シミは、何故できるのか?

 

シミは、皮膚の浅い層に、メラニンが溜まることが主因。ちなみに、メラニンはメラノサイトにより作られています。

 

詳しくは、シミ を参照にしてくださいね ! 


🌱Q/A

Q1 : 肌のキメとは?

A1 : 

()断面で見ると、規則的な凸凹で構成されてます。

(肌表面を拡大。キメのある肌は、こんな風にみえます。