質問箱 : 埋没後のケア

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2023年1月2日

埋没法とは?
埋没法は、瞼の数カ所に約1mmの穴を開け、一部の穴に糸の結び目を埋め込む(埋没する)方法です(図1)。

<図1>

埋没法
 “創部違和感”は付き物
手術は清潔操作で行い、術後の感染が起きないように充分配慮しています。埋没糸は、感染に強い溶けないナイロン糸を
使用しています。
しかし、皮膚には黄色ブドウ球菌という細菌が常在し、埋没糸も簡単に言えば”体内にとっての異物”です。
残念ながら、アレルギー反応や感染を起こすリスクはあります。
 
違和感には、どのようなものがあるのか?
数は多くないですが、
”創部にボコつきがある(硬い”)” 
”創部が赤くなっている”
”創部を触ると痛い”
”創部から膿みたいなものが出た”
”瞼が腫れて、二重の線が広く出てしまっている”
”創部から糸みたいなものが出てきた”など
問い合わせを受けることがあります。

ボコつきについて
この原因は主に2つ。糸の結び目が皮下の浅い部分に埋没されているため、治癒過程で一時的に皮膚が硬くなるためです。

経過観察が一般的ですが、改善しない場合には抜糸します(図2)。

<図2>

埋没後のボコ付き
ボコつきは、自然に改善することが多い。

痛み・赤味について
赤味・触ったときの軽い痛みは、自然に軽快することが多いです。経過観察が一般的ですが、改善しない場合には、

抗生剤使用や抜糸をします(図3)。

<図3>

埋没後の痛み・赤味
軽い痛み、赤味も自然に改善することが多い。
何もしなくてめ痛い、腫れて二重の線が広く出ている場合には、抗生剤内服や塗り薬で対応します。
改善しない場合には、抜糸をします。
 
糸露出・排膿について
実は、”手術3日以内に糸が出て、運悪く感染して膿まで出ている”ことが多いです。
なお、創部から膿が出たり糸が外に出てしまっている場合には、迷わずに抜糸してキレイにします。
 
糸をしっかり埋没させるために
糸露出を防ぐために、結び目を慎重に埋没しています。それでも、出てきてしまうことがあります。
術後3日間は、次の2点を守ってくれると助かります。
①瞼に力を入れない(鏡を見て、目を見開かない)
②瞼を引っ張らない
 
抜糸した後は?
後日、再度埋没するケースが多いです。
特に感染している場合には、瞼の状態が落ち着いてから埋没するべきです。