いまの風潮は、
「ムダ毛処理は、するべきでしょ💡」
この背景には、”脱毛は、安全かうメリット大” というイメージが一躍買っていると思われます。
実は、脱毛には、奥深い理論が根底にあるのですが、次のような理解で終わっていませんか❓❓
” 脱毛は、毛に熱を加えて、生えなくする施術”
脱毛、されど脱毛。
立派な、美容外科施術の1つとして考えるべきではないでしょうか。
ここでは、脱毛について、初心者さんにも分かりやすく解説していきます。
よかったら、最後まで読んでくださいね!
<目次>
・知っておくべき、毛周期
・医療脱毛も、繰り返しが大切
・毛のお話
・毛にレーザーが当たると、どうなる?
・どこの部位でも一緒なのか?
・忘れちゃいけない、病気による多毛
・脱毛レーザーの手順
・脱毛レーザーのリスク
・Q/A
● 知っておくべき、毛周期
まず、毛周期は、成長期・退行期・休止期の3つに区分されます。
毛周期の期間は、部位によって異なりますが、おおよそ3〜6か月 (個人差あり)。
詳しくは ▶︎ 毛周期 を参考にしてくださいね!
● 医療脱毛も、繰り返しが大切
何故、一回で完全脱毛することが不可能なのでしょうか? (繰り返すことが必要なのでしょうか?)
理由は、とっても簡単。
毛周期全体の20%に当たる成長期のみが、脱毛を受けるのに適している期間だからです。
このため、医療脱毛だとしても、回数を重ねる必要があるのです。
● 毛のお話
毛の根っこ部分は、毛根と呼ばれ、毛を支える役割があります。毛根の丸く膨らんでいる部分を毛球といいます。
その毛根を包んでいる組織を毛包と呼びます。
毛球を拡大して現れるのが、毛母細胞・毛乳頭・毛細血管の3つの組織。この3つが作用し合う結果、毛・毛包が作られます。
毛細血管は、その名の通り血管で、栄養が届けられる管の役割をしています。この毛細血管から栄養が毛乳頭に送られ、毛乳頭から栄養が毛母細胞に送られます。栄養をもらった毛母細胞は細胞分裂を繰り返して、毛を作ります。
毛乳頭は、栄養だけでなく、信号も毛母細胞に送ります。信号が伝えられることにより、毛母細胞の細胞分裂がコントロールされ、毛量が決まります。
黒色のメラニンは、メラノサイトという組織で作られています。
● レーザーが毛に当たると、どうなる?
レーザーは、毛に含まれるメラニンに吸収されて、熱が発生します。
この熱により、毛母細胞は変性し、細胞分裂の停止に至り、最終的に脱毛されます。
ちなみに、脱毛レーザーにも様々な種類 (媒質・波長) があります。
代表的なものとして、Alex 755nm, Nd:YAG 1064nm があります。
● どこの部位でも一緒なのか?
毛根は、メラニンが作り出す熱により破壊されます。つまり、メラニンの少ない細毛or産毛では、脱毛困難となります。
また、皮毛角の大きく太い毛では、毛根の位置が深くなるため、脱毛困難となります。
一般的には、上腕・背中・顔・産毛の多い部分は、脱毛が難しいエリアと言われています。
また、痛みに関しても違ってきます。
一般的に、顔・VIO エリアは、敏感な場所であるため、痛みを感じやすいと言われています。
● 忘れちゃいけない、病気による多毛
見逃してはならないのが、病気による多毛。
分類別にまとめてみます。
毛以外の悩みもあり、詳しく調べて欲しい方は、各医療機関に受診されると良いでしょう。
● 脱毛レーザーの手順
①施術部位の確認、治療範囲のマーキング
②剃毛 (されていない場合)
③レーザー照射
④冷却・鎮静
⑤ローションの塗布
● 脱毛レーザーのリスク
① 浮腫・発赤
レーザーによる、レーザー刺激により生じます。基本的に、自然に落ち着きます。
②毛嚢炎
毛包に一致した炎症症状 (毛嚢炎) が出ることは、よくあります。状態によっては、抗アレルギー薬やステロイドを用います。
③静脈の反応
レーザーはヘモグロビンにも吸収されるので、皮下静脈の多い患者さんでは、静脈に反応することがあります。
基本的に、自然に落ち着きますが、痛みを伴うことがあります。
④表皮焼け
“照射当日は、強い赤味を生じた。でも、翌日から急速に黒色のカサブタを生じた” というのが表皮焼け。
その後、一時的に炎症後色素沈着(PIH)を生じた場合でも、数ヶ月以内に落ち着きます。
しかし、残念ながら、一部の患者さんでは肝斑に移行してしまいます。
⑤色素沈着
真皮という深い層にダメージが加わると、色素沈着が起きてしまいます。このタイプの色素沈着は、時間と共に改善しないため、厄介です。
特に、密集した・太く・深い毛では、真皮がダメージを受けやすいため、要注意です。
⑥色素脱失
色素沈着とは反対に、一部が白くなってしまうことを言います。刺激を与えないようにして待つことがポイントです。
⑦硬毛化
レーザー脱毛するうちに、毛が薄くなるはずが、逆に太くて長い毛が生えてくる現象。
全身どこでも起こり得るのですが、上腕・背部・顎ラインに多いです。
硬毛化した場合には、出力を上げるなどの対応が大切です。
● Q/A
Q1 : 何故、休止期だと脱毛できないのですか?
A1: 休止期は、毛球から毛が離れてしまうため、レーザー熱が到達しないためです。
Q2: レーザー前に、何も肌につけない方がいい理由は?
A2 : 日焼け止めであれ、ファンデーションであれ、紫外線吸収剤が含まれていることがあるためです。これは、レーザー光も吸収して、熱を発生してしまいます。
Q3 : 色黒だと、脱毛レーザーは受けられないのですか?
A3 : 色黒の方は、表皮 (皮膚の浅い領域)にメラニン色素が多いため、表皮焼けが起こりやすくなります。このため、出力を下げて照射する・長パルスYAGを用いるなどの工夫が必要です。
Q4 : ブロンドだと、脱毛レーザーの効果は出ますか?
A5 : ブランド毛には、黒髪の20-30%ほどのメラニンしか含まれていません。従って、出力を上げて照射する・Alexを用いるなどの工夫が必要です。
Q5 : 白髪に対して、脱毛レーザーは効果ありますか?
A5 : 白髪には、メラニンは含まれていません。すなわち、脱毛レーザーは無効で、針脱毛しか選択肢はありません。
Q6 : 脱毛予定部位に刺青が入っている場合、その部位を脱毛してもOKですか?
A6 : No. 理由は、脱毛レーザーの光が刺青色素に吸収されて熱が発生し、熱傷になる可能性があるからです。
Q7 : 脱毛予定部位にニキビがある場合、その部位を脱毛してもOKですか?
A7 : OK. ニキビは毛穴の炎症であるため、毛がなくなることで、ニキビが改善することも考えられます。一方で、レーザー刺激で悪化することもあります。
Q8 : 血液サラサラ薬を飲んでいますが、脱毛できますか?
A8 : 可能です。しかし、レーザー光は静脈に反応してしまうため、 皮下出血を生じることがあります。
Q9 : 皮膚癌の既往がある場合、脱毛はできますか?
A9 : 不可能ではないです。しかし、レーザー刺激により、新たに皮膚癌が出現するリスクは頭に入れておきましょう。
Q10 : 脱毛レーザーを受けられない人とは?
A10 : 妊娠中の方、治療部位に感染・開いたキズのある方、非現実的な期待を持つ方です。
Q11 : 子供の脱毛って、どうなの?
A11 : レーザー照射直後は、簡単に言うと、軽い火傷の状態です。強い紫外線が当たると、照射部位がシミになったりします。特に、子どものケースでは、体育の授業やプールなど紫外線にあたる機会が多いので、大人よりトラブルは多いかも知れません。
また、レーザー脱毛は、今ある毛にしか反応しないので、毛が生えていない毛根には効きません。特に、子どものケースでは、成長と共に生えてくるなんてこともあります。
Q11 : 脱毛レーザーって、臭いに効果ありますか?
A11 : ワキガやスソワキガは、アポクリン汗腺が原因とされています。このアポクリン汗腺は、毛包内の漏斗部に開口します。医療脱毛レーザー光は、毛包に作用するため、アポクリン汗腺にも間接的にダメージを加えることができる可能性があります。つまり、臭いに対する効果は、少しはある様です。