キレイ:男性の毛髪ケア

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2023年1月2日

 

📣ページの概要📣

 

AGA(男性型脱毛症)による抜毛・薄毛で悩まれてる方、多いのではないでしょうか

このページでは、まずAGA4原因を取り上げます。

その上で、AGAの進行を食い止める4つの対策を考えてみます。

特に、注射治療については詳しく書いていきます🤗

 

もしよかったら、参考にしてくださいね

🌱AGAの病態

 

AGA(androgenic alopecia)は、思春期以降の男性に多い脱毛症。

前頭部・頭頂部に進行性の脱毛を生じさせる、という特徴があります。

AGAは前頭部と頭頂部にみられる

次のような流れで、発症すると言われています。

 

①テストステロンとαリダクターゼII(前頭部・頭頂部の頭皮に多くみられる酵素)が結合して、

DHT(ジヒドロテストステロン)を産生。

 

 DHT、毛包の男性ホルモンレセプターがキャッチし、脱毛因子TGF-βを産生。

 

 TGF-β、毛乳頭や毛母細胞の働きを抑制させます。

結果的に、抜け毛の本数が増え、頭髪全体のヘアサイクルが乱れます。

🌱AGA4原因

 

遺伝の影響

血液循環の不良

皮脂の過剰分泌

外的要因

 

4つです。

以下に詳しくみていきます。

 

 

遺伝の影響

 

高い確率で引き継がれる遺伝子情報は、リダクターゼの活性度と男性ホルモンレセプター感受性。

AGAを起こすメカニズム
AGAの方では、活性度や感受性が高いため、脱毛因子が効率的に産出される結果、薄毛になりやすいです。

血液循環の不良

 

毛髪の成長に必要な栄養は血液によって運搬されています。このため、血流が悪くなると頭皮に栄養が届きにくくなります。

毛髪と血液循環不良について
過度なストレス・喫煙・運動不足などは、頭皮血流を減少させる結果、薄毛になりやすいです。

③ 皮脂の過剰分泌

 

頭皮の皮脂量が増えると、毛穴のつまりが起きます。

 

毛髪と皮脂過剰分泌について
過度なストレス・脂っこい食事・誤った洗髪ケアは、頭皮の皮脂量を増やす結果、薄毛になりやすいです。

外的要因

 

思いがけない習慣が、頭皮に負担をかけている可能性があります。

 

毛髪と外的要因について
ヘルメットや帽子による蒸れ・紫外線は、頭皮にダメージを与える結果、薄毛をもたらすかも知れません。

 

🌱AGA の進行を食い止める4つの対策

 

生活習慣を見直す

毛髪ケア用品を見直す

物理的な原因は取り除く

医療機関を受診する

4つです。

 

以下に詳しくみていきます。

生活習慣を見直す

 

これが1番基本となりますが、実際的には難しいことかも知れませんね。

 

AGAと生活習慣
AGA治療の基本は、適度な運動・禁煙・脂っこくない食事です。

毛髪ケア用品を見直す

 

自分の頭皮に合う毛髪ケア用品を使うことは大切です。ネットで簡単に探すことができますよ!

 

毛髪とそのケア用品
自分に合った、ヘアシャンプーや頭皮ローションを見つけましょう。

物理的な原因は取り除く

 

被り物による蒸れ・紫外線・過剰な頭皮ケアは、頭皮にダメージを与えてしまいます。

 

AGAを引き起こす、物理的な要因

医療機関を受診する

a-cまで頑張ってみたものの、改善が見込めないケースも多くみられます。そんな時、ぜひぜひ医療に頼ってくださいね

🌱AGA治療

 

 塗り薬

 飲み薬

ウ 注射

エ 植毛

 

4つです。

以下に詳しくみていきます。

 塗り薬

 

まずは、育毛剤から始める方が多いです(パントスチン、ロゲインなど)。これに併せて内服薬を始める方が多いです。

 

代表的な、AGA塗り薬
代表的なAGA塗り薬

 飲み薬

 

内服薬には、

抜け毛を抑えるフィナステリド(商品名:プロペシア)・デュタステリド(商品名:アボルブ、ザガーロ)

 

発毛を促進させる

ミノキシジル(商品名:ミノキシジルタブレット)

などがあります。

代表的なAGA内服薬の比較
代表的なAGA内服薬の比較

ウ 注射

 

前頭部・生え際のAGAは、なかなか改善してくれない現実があります。

 

これには2つの理由が存在し、

 

①頭皮が硬く、塗り薬が浸透しにくいため

②5αリダクターゼの分泌な高い部位であるため

 

です。

 

ここで登場するのが注射です

注射剤には、ミノキシジルとHARGの2種類があります。

 

代表的なAGA注射薬の比較
代表的なAGA注射薬の比較
ミノキシジルにより、血流(赤線)改善。毛包(毛の根っこ)の血流が増えると、栄養(青丸)も増加。さらに、毛母細胞(緑丸)が活性化。
ミノキシジルにより、血流(赤線)改善。毛包(毛の根っこ)の血流が増えると、栄養(青丸)も増加。さらに、毛母細胞(緑丸)が活性化。

効果という意味では魅力的ですが、注射の問題点は痛みです。針を刺す時点では問題ないことが多いですが、

薬物を注入する際の痛みが強いことが特徴です。

 

痛みを緩和させるポイントは

・神経ブロック

・水光注射針

 

を併用することです☝️

AGA注射による痛みを最小限にするための工夫
AGA注射による痛みを最小限にするために

 植毛

🌱 AGA以外の脱毛症

 

男性薄毛の90%は、AGA (男性型脱毛症)と言われています。

 

AGA以外というと、脂漏性脱毛症や円形脱毛症。

 

脂漏性脱毛症は、過剰皮脂による脂漏性頭皮炎を原因とする、脱毛症の1つです。

治療のベースは、次の通り。

・頭皮ケアの徹底

・皮膚科外用薬の使用

 

円形脱毛症は、自己免疫疾患・アトピー素因・ストレスを原因とする、脱毛症の1つです。

治療は、

・ステロイド注射

・ステロイドや抗アレルギー薬の内服・外用

 

となります。

左 : 脂漏性脱毛症、右 : 円形脱毛症
左 : 脂漏性脱毛症、右 : 円形脱毛症

Q/A

 

Q1 : 飲み薬は、女性も内服できますか?

A1 : 残念ながら、女性型脱毛にはエビデンス無く、無効です。特に、周産期の女性は禁忌となります。

 

Q2 : 内服薬の実際、知りたいです。A2:フィナステリドは1mg/日、デュタステリドは0.5mg/日からスタート。効果持続のためには、継続的な内服が必要です。

🌱最後に

 

いかがだったでしょうか

ここではAGAについて解説しました。どの治療でも、効果を認めるようになるまで半年程度を要します。

かなり根気が必要ですが、一緒に頑張っていきましょうね👊