この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 | 最新アップデート 2023年1月2日
目の下くま、悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
“目の下くま” が与える影響は大きく、相手に与える心象にも関わってきます。
そして今、コロナ禍にも修飾され、”目の下” が強く意識されています。
このページを最後まで読んでいただけると、「目の下くま、このようにしたら、いいのかな」と先が見えてくるはずです。
それでは、詳しく解説していきます。
目次
・A と B、どちらが若々しく見えますか?
・何故、若々しく見えないのか?
・くまの原因
・くまに対する治療法
・膨らみに対する治療法
・黒ずみに対する治療法
・うっ血に対する治療法
・治療の実際
・まとめ
・Q/A
🌱 A と B、どちらが若々しく見えますか?
図1を見てください。
どちらが若々しく見えますか?
🌱 何故、若々しく見えないのか?
ズバリ💡目の下にある、黒ずみ・膨らみ が原因です。
黒ずみは、ピンクなどの明るいカラーとは違い、暗い印象を与えてしまいます。
また、膨らみも、下に影を作ってしまうため、暗い印象を与えてしまいます。
当然、目の下にある、黒ずみ・膨らみが改善されれば、若々しく見えるようになるでしょう。
🌱 くまの原因
クマには、膨らみによるもの・黒ずみによるもの、血流不足によるもの(うっ血) の3種類が存在します。
始めに、膨らみによるクマを解説します。
膨らみの実体は、眼窩脂肪と呼ばれており、眼窩隔膜の下に認めます。
脂肪の突出を強調する要素として、目周りの組織の弛み・支持靭帯(tear trough)の弛み・眼窩の萎縮(拡大)などが知られています (図3,4)。
次に、黒ずみによるクマを解説します。
黒ずみの正体は、メラニン沈着で、茶くまと表現されることが多いです。
目の下は、皮膚・皮下脂肪が薄いエリアであるため、刺激を受けて色素沈着しやすくなっています (図2)。
最後に、血流不足によるクマを解説します。
鮮赤色を呈する酸化ヘモグロビンが減少すると、クマとなって現れます。
一因として、長時間のVDT (visual display terminals) 作業による眼輪筋過緊張が考えられ、最近のスマホやPC画面を見る時間の延長が悪影響を及ぼしています。
🌱 くま治療法
さて、治療についてですが、
・膨らみに対する治療
・黒ずみ対する治療
の2つに大別できます。
🌱 膨らみに対する治療法
● 注入のみ
簡単にできる治療は、ヒアルロン酸や脂肪の注入です。
注入のみは、皮膚の弛緩がなく、膨らみの軽い、30-40代が最適です。
骨膜上に注入して靭帯を持ち上げ、溝の下にも注入することにより、膨らみを目立たなくします。
● 経結膜的下眼瞼脱脂術 (図7)
結膜(マブタ裏の柔らかい部分)を切開し、眼窩隔膜を切開して脱脂する方法。皮膚のたるみが強い方は、適応とならない場合があります。
● 経皮的下眼瞼脱脂術 (図8)
皮膚を切開し、眼窩隔膜を切開して脱脂する方法。たるみ取りが可能な一方、外反や涙袋消失のリスクがあります。
● 脱脂術に注入を組み合わせる方法
脱脂術だけでは、特に横から見た時、平坦に見えてしまうことがあります(図9)。
目の下から頬にかけて滑らかな曲線を描けていないと、若々しい印象を与えることはできません。
そこで、ヒアルロン酸や脂肪を骨膜上に注入して靭帯を持ち上げ、溝の下にも注入することにより、
綺麗なカーブを作ります(図10)。
⚫︎下眼瞼脂肪再配置術(経結膜的、経皮的)これは、裏ハムラまたは表ハムラと呼ばれている方法です(図11)。
🌱 黒ずみに対する治療法
●レーザートーニング (図12)
トーニングは、メラニン沈着による黒ずみに対して行います。
やや眩しい感じがしますが、目の際まで照射することが可能です。
● 美容液
美白剤としては、ハイドロキノンが有名です。
黒ずみ予防としては、ビタミンC・トラネキサム酸などが人気です。
美容液について詳しくは ▶︎ 美容液
● 注入
これは、メラニン沈着と眼輪筋の両方に対して行います。
目の下皮膚は薄いため、脂肪注入のみとなります。細かく砕いた脂肪を注入すると、黒ずみが目立ちにくくなります。
🌱 うっ血に対する治療法
表皮角質層に留まる長さの、マイクロニードル針を刺して、うっ血部に刺激を与えます。
この刺激が、血流に影響を与え、うっ血を改善させます。
🌱 治療の実際
目立たないキズアトで、 最大限の効果が欲しいですよね。
そんな方には、経結膜的下眼瞼脱脂術と脂肪注入術がオススメですよ !
基本的には、局所麻酔のみで手術することが可能です。
🌱 まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
目の下を改善させると、あなたの心も明るくなりますよ。
🌱 Q/A
Q1 : tear trough depression とは何かですか?
A1 : 眼窩下縁内側から眼窩下縁に沿って瞳孔中心線まで続く陥凹を指します。解剖学的な名称について、図解してみました!よかったら、参考にしてください。
Q2 : 色クマって何ですか?
A2 : クマを色味の種類で分けて呼んでおり、色クマと呼ばれています。黒・紫(赤+青)・チャレンジングに分かれます。
黒の原因は、眼窩脂肪の突出・下眼瞼溝の凹み。
紫の原因は、眼輪筋の透見(赤)と皮下静脈叢の透見(青)。
茶の原因は、慢性的な刺激による色素沈着とされています。
Q3 : くま取り後のダウンタイムが不安です。術後の冷やし方、教えてください。
A3 : クマ取り後のクーリングは特殊、冷えピタなどのシール型冷却剤が有効でしょう。
脂肪注入をした部位にも同様に貼ると、生着率が向上すると言われています (内出血を減らす・注入した脂肪細胞の代謝を下げる)。
目周りのカーブに沿ってカットして貼れるので、とーっても楽チンですよね。