病気と治療 : 逆さまつげ

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2023年4月10日

あなたの下マブタは、モッコリしていて、キワが不明瞭になっていませんか?

何となく放置していた方、最近になって眼痛・流涙・眼脂などの眼症状に悩まされて始めていませんか??

眼瞼内反症は、生活に直結する病であるため、ここで紹介させていただきます。


<目次>

・内反した状態とは?

・下眼瞼の構造

・原因は色々

・治療法は?

・まとめ

Q/A


● 内反した状態とは?


“内反” とは、本来あるべき位置よりも(内側に)入り込んでいることを指します。


つまり、下眼瞼が内反していると、皮膚・睫毛が、瞼の中へ吸い込まれている様にみえるのです。

● 下眼瞼の構造


まずは、本来あるべき位置を把握することがポイント。下眼瞼の構造を学んでいきましょう。


皮膚の下には、皮下脂肪・眼輪筋・瞼板・下眼瞼牽引筋腱膜 (LER)・靱帯が存在します。


下眼瞼皮下にはLER穿通枝が入り込んで、表面の緊張が保たれています。


そして、瞼板は、吊り橋のように周りの構造物に引っ張られ、一定の位置に収まっています。

垂直方向は下眼瞼牽引筋腱膜 (LER)、水平方向は眼輪筋・靱帯に引っ張られることにより、深部の緊張が保たれています。

● 原因は色々


先天的なもの・後天的なものに分類されます。


先天的なものは、LER穿通枝が弱いことが主因。

いわゆる、睫毛内反です。

後天的なものは、加齢によってLER・眼輪筋・靭帯が弱まることが原因。いわゆる、眼瞼内反です。

その他の要因としては、事故などによる外傷・甲状腺に疾患などが考えられます。

● 治療法は?


睫毛内反では、埋没法(軽症)とHoz法(中等症以上)に分かれます。

(図) 埋没法 : 結膜から皮膚に向けて通糸。LER穿通枝を再建します。
(図) 埋没法 : 結膜から皮膚に向けて通糸。LER穿通枝を再建します。
(図) Hotz法 : 皮膚切開後、眼輪筋・皮下組織を切除。瞼板と皮下を糸で縫合します。
(図) Hotz法 : 皮膚切開後、眼輪筋・皮下組織を切除。瞼板と皮下を糸で縫合します。

眼瞼内反では、LER後層のダッキング・LER前層の前転固定・眼輪筋の短縮をメインに行います。

必要であれば、皮膚も切除します。

● まとめ


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

目元の手術は、印象変化が大きいものとなります。上マブタとのバランスを考えて、治療法を考えることが大切だと思っています。


● Q/A