この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 | 最新アップデート 2023年1月2日
東洋人の蒙古襞
蒙古襞とは、目頭側にある皮膚の突っ張りのことです。日本人の70%にある、と言われています (図 1)。
突っ張っていると、何が問題?
蒙古襞の突っ張りが強いと、目が小さく見え、黒目の位置がアンバランスとなるだけではなく、二重のラインが消えてしまいます。”冷たい感じに見られる” “目と目が離れて見える” という悩みに直結します。
目を大きく見せ、二重ラインを出すために
突っ張りをなくすためには、襞の一部を切除して引っ張る or 突っ張っている向きを変える の2通りが考えられます。
単純に、襞を形成すると…..
襞を三日月型に切除・縫合する方法 (図2) は、分かりやすい術式です。しかし、この方法のデメリットは、キズアトが目立ちやすいことです。
目立ちにくいキズアトを求めて
縦方向の突っ張りを横方向に転換させると、目立ちにくいキズアトにすることができます。これがw形成 or z形成という概念です。
w形成は、従来の三日月型形成と近いため、やや目立ちやすいキズアトになります(図3)。
一方、z形成は、より目立ちにくいですが、大きな変化を出しにくいです(図4)。
<治療のイメージ>
手順① 局所麻酔
手順② デザインに沿い、蒙古襞に切れ目を入れ、皮膚を切除する。
手順③ 皮膚を縫合する。
Q/A
Q1 : 目頭切開したキズ、感染したらどうなりますか?
A1 : 目頭切開のキズアトは、皮弁形成している点で特殊です。皮弁血流が悪くなって皮膚壊死したため、感染してしまったキズアトを修正した経験はあります。死んでしまった皮膚・感染組織を切除した後、縫いました。結果的に三日月型に切開した様になっていましたが、目頭は開き、キズアトは綺麗に治りました。
Q2 : 蒙古襞の連続でみられる、段差。これを治療する方法はありますか?
A2 : これは、ヒアルロン酸や脂肪などを注入しても改善できません。皮膚不足が原因なので、z形成やw形成で蒙古襞に対する治療をするべきでしょう。