病気と治療 : 陥入爪

この記事を編集した医師 : 保坂宗孝 |  最新アップデート 2024年10月23日

概要

 

あなたは、”陥入爪・巻き爪” って単語、聞いたことありますか??


陥入爪とは、爪が短く、食い込んでいる状態。

一方、巻き爪とは、爪が湾曲している状態を指します。


ごく簡単に言うと、硬い爪と柔らかい皮膚の間に起こるトラブル。


爪の硬い部分(爪甲)が食い込むことで、強い痛みを引き起こしてしまいます。

非常に残念なことに、完治しにくい、やっかいな疾患です。


このページでは、爪-皮膚間のトラブルという視点から、原因から治療まで分かりやすく解説していきます。


<目次>

● 爪の解剖

● 変形の3タイプ

● 変形する原因とは?

●治療

●再発予防

● 爪の解剖

すっ飛ばしがちな部分ですが、爪の構造を理解しておくことは大切ですよ。

爪の土台は、末節骨。爪甲は爪母で作られ、爪床に沿って遠位へ伸びます
爪の土台は、末節骨。爪甲は爪母で作られ、爪床に沿って遠位へ伸びます

🌱巻き爪の分類

 

主に占めるのが、以下の3タイプです。


・C型

爪甲がアルファベットのCに類似することから呼ばれます。

全体の6割を占める変形です。

矯正治療に反応しやすく、ワイヤー矯正に最も適すと言われてます。


・ステイプル型

爪甲がホチキス針のコ型に類似することから、ステイプル型と呼ばれます。

全体の15% を占める変形です。

手術に最も適したタイプですが、矯正治療にもよく反応すると言われています。


・折り返し型

ステイプル型に似ていますが、この型では、さらに屈曲しています。

全体の3% を占める変形で、比較的まれです。

矯正に反応しにくく、手術を勧められるケースが多いと言われます。

左:C型、中:ステイプル型、右:折り返し型
左:C型、中:ステイプル型、右:折り返し型

🌱原因

 

・誤った爪切り

・合っていない靴

・足指の変形

・水虫、麻痺、腫瘍、血管病などの病気

 

🌱症状

 

・発赤

・腫脹

・びらん、潰瘍

・滲出液

・肉芽

 

🌱治療

 

爪に強い変形があっても、全く痛みのないケースもあれば、逆に殆ど変形ないのに強い痛みを訴えることもあります。

 

このため、治療を行う上での判断は、爪変形の程度ではなく自覚症状の有無で決定しています。

 

軟膏治療で治まるこもありますが、

以下の治療が望ましいこともあります。

 

 

治療法としてフェノール法ワイヤーによる爪矯正などがあります。

部分抜爪+フェノール法

ワイヤーによる爪矯正

 

🌱再発予防

 

せっかく手術しても予防しないと、再発させてしまいます。

気をつけたい4つのポイントを解説します。

 

・爪を正しく切る

 

1番大切なポイント❗️

分かりやすく図解説しています。

リンクを参照ください ▶︎ 爪の切り方

 

・圧迫を避ける

 

きつめのストッキング・5本指靴下は、爪甲を圧迫してしまいます。無理な圧迫は避けたいところ。

隣の足指が重なりやすい方は、トゥスプレッダがオススメです。

 

・正しく歩く

 

踵から地面について、親指で蹴り出すイメージ。視線は遠くにおいて、歩幅を広めにすると、綺麗な姿勢をキープできます。

 

・巻き爪クリップを使う

 

素人でも着脱できる、クリップがあります。

再発予防としてはオススメです。

 

リンクを参照ください ▶︎ ドクターショール